雑感、不安感

この記事はhamachanさんの「鈴鹿国際大学事件」のパクリです。全文を引いているわけではないので、元のエントリとそこに引かれている最高裁の判決もお読みになることをお勧めします。 地裁では原告勝訴、高裁では被告勝訴と判断が分かれましたが、最高裁は再度判断をひっくり返し、航空幕僚長(○○先生)勝訴としました。(平家注 もちろん仮定です。) その理由は、 >前記事実関係等によれば,本件論文(発言)は,その見出しや発言内容に照らして,第二次世界大戦下において我が国が採った諸政策には功罪両面があったのであるから,その一方のみを殊更に強調するような歴史観を強制すべきではないとの(く,そのような見地からみて,人権センターの展示内容には偏りがあるという)上告人の意見を表明するにすぎないものと認められる。このような本件論文(発言)の趣旨,内容等にかんがみると,本件論文(発言)は,これが多くのマスメディアで報道(地元新聞紙上に掲載)されたからといって,(被上告人Y )の国際的(社会的)評価の低下毀損を生じさせるものであるとは認め難い。また,原審1が懲戒を基礎付ける事由として挙げる上記2(6)①ないし③の上告人の論文発表(講義)方法等についても,それが自衛隊員としての職務の(大学における講義等の教育活動の)一環としてされたものではない(ある)ことなどを考慮すると,それのみを採り上げて直ちに国家公務員法(本件就業規則)所定の懲戒事由に該当すると認めるのは困難というほかない。 そうすると,本件懲戒免職(戒告)処分は,それが国家公務員法(本件就業規則)において定められた最も重い(軽微な)懲戒処分であることを考慮すれば(しても),客観的に合理的と認められる理由を欠くものといわざるを得ないから,懲戒権を濫用するものとして無効というべきである。 さらに、 >(被上告人Y )は,上告人が航空自衛隊の幕僚長(本件大学の教員と1)して不適切な人物であり,辞職してもらうのが適当との判断の下に,執拗に辞職を勧奨し,上告人が同勧奨に応じなかったことから,懲戒に値する事由がないにもかかわらず,上告人を本件懲戒免職(戒告)処分に付し(た上,さらに,何ら業務上の必要性がないにもかかわらず,教授として最も基本的な職責である教授会への出席及び教育諸活動を停止する旨の業務命令である本件要請をし,かつ,本件訴訟提起後に撤回されたとはいうものの,本件大学短期大学部に新たに設けられた一室において,通常大学教授の本来的業務とは考えられず,上告人の専攻分野とも関連性のない学園史の英訳等の業務に従事させるという)、不利益を殊更に課したものということができるのであって,これは,制裁的意図に基づく差別的取扱いであるとみられてもやむを得ない行為である。そうすると,本件懲戒免職(要請)は,(業務上の必要性を欠き,)社会通念上著しく合理性を欠くものといわざるを得ず,懲戒(業務命令)権を濫用するものとして無効であることは明らかというべきである。 ということです。 やり方がやり過ぎなのはあきらかですから、まあ概ね妥当な判決といっていいとは思うのですが、とはいえ、一般論としてですが、高い地位にある自衛官(大学の先生)が外部でトンデモ論文を発表して(発言をして)、国、自衛隊(大学)がそういう目で見られてしまうことのマイナスを被ってしまうことをどう評価するかという問題はいささか残るような気がします。一方で言論(学問)の自由というのもこれあるわけで、なかなか難しいところではあるんですが、そう一筋縄では行かないところがあるような気が・・・。 (2008年11月22日追記) この問題は、公務員の言論の自由を、どんな理由でどこまで制限できるのかという問題です。公務員は国に雇われている人間です。この意味で労働問題の一種であると判断して取り上げました。 ここをクリック、お願いします。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では32位でした。