2007年7-9月期GDP その1

7-9月期のGDPが発表されました(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe073/pointj.pdf)。前期比実質成長率は、1-3月の0.7%のプラス成長が4-6月には-0.4%とマイナス成長になっていました。これが0.6%とプラス成長に転じたので、明るくとらえられているようです。特に、1-3月、4-6月と連続して減少していた「民間企業設備」が、プラスになったことが評価されているようです。「民間企業設備」の寄与度は0.3ポイントと今回の成長の半分を占めています。

しかし、前回の発表では1次と2次速報で大きな差が出て話題となりました。その大きな要因は、一次速報と二次速報で「民間企業設備」が大きく変わったことです。

一次速報と2次速報で変わる主な理由は、1次速報が供給側の基礎統計だけで作られるのに対して、2次速報では「法人企業統計調査」など需要側推計値も利用されることです(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe073/notej.pdf)。

そして、「設備投資の動き(法人企業統計)」で書いたとおり、標本が偏ってしまったようなので今回も2次速報値の「企業設備」の値は低くなることが予想されます。

今回の前期比は、低めに出た4-6月期の「民間企業設備」2次速報値と高めに出たらしい7-9月期の「民間企業設備」の1次速報値の比較ですから、高めに出ているはずです。

12月7日(金)公表予定の2次速報では前期比の成長率は低くなる公算大です。今回の1次速報で、経済の動きを即断するのは危険です。

人気blogランキングでは「社会科学」の29位でした。今日も↓クリックをお願いします。

人気blogランキング