パスポート電子申請システム
運用を中止された、パスポート電子申請システムについて慣性という名の惰性さんがかなり詳しく調べられています。バランスの取れたいいエントリーだと思います。
ほとんど賛成なのですが、ただ一点だけ。このエントリー中で「『e-Japan計画』の資料を探してもこの件はでていない」と書かれています。(http://d.hatena.ne.jp/ryozo18/20060902)
非常にわかりにくい形なのですが実はe-Japan重点計画に書かれているのです。
この計画に「5 行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進」という項目があって、その中に「(3) 具体的施策」があり、「1.行政の情報化」の中にこういう項目があります。
b) 申請・届出等手続の電子化
国民等と行政との間の実質的にすべての申請・届出等手続を、2003年度までのできる限り早期にインターネット等で行えるようにする。
(中略)
ⅲ)各府省は、可能な限り、2002年度末までに個別手続オンラインシステムを整備する。(全府省)
こちらをご覧下さい↓。
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai3/3siryou45.html)
パスポートの申請は当然この「国民等と行政との間の実質的にすべての申請・届出等手続」に含まれます。
したがって、IT戦略会議でこの計画が決まった以上、仕方がない。ここで勝負はついていたということです。
普通なら、そういうシステムを作ったらどの程度費用がかかり、どの程度利用が見込めるかを考えるものでしょうが、そういうことはしなかった。全部やるんだと、勢いよく、元気に決めたわけです。行政手続きの中には、何年かに1回しか使われない手続きもあるのではないかと思いますが。
まあ、外務省を責めても仕方がない。言い訳のために、無理に利用を促進しようとしてPR費用を掛けたりせず、凍結したのは、セカンドベストでしょう。
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