リア王陛下、お許し下さい!
陛下、仰せの通りでございます。「生きるべきか死ぬべきか」で、四大悲劇から「リア王」陛下を落としてしまい、代わりに「ロミオとジュリエット」を入れてしまったのは、私、平家でございます。
まことに申し訳ないことをいたしました。何卒、お許し下さいませ。
決して悪意でやったわけではございません。
でも、失礼ながら陛下のご長女ゴネリル様とご次女レーガンさまは、御領地、財産を受け取られたらすぐに陛下を追い出し、しかも有夫の身でありながらエドマンドをお二方で取り合い、そのあげく亡くなられたのですから、お二方について言えば、これは、自業自得、悲劇ではなく、勧善懲悪劇・・・いやいや、やむをえないことではなかろうかと存じます。
また、こう申し上げては何でございますが、陛下は御齢80を超えていらしゃいました。まあ、十分長生きされたのではないかと。ああいうことがなくとも、どうせすぐに・・・・。それに比べるとロミオとジュリエットは若い。ジュリエットはわずか13歳。あの二人が死んでしまったのは、本当の悲劇かと・・・。
それにオリビア ハッセイとあの主題歌の印象があまりに強く。いえいえ、こちらの話でございます。
は、そうではない。「ロミオとジュリエットを入れるのは構わない。なぜ謀反人マクベスを忘れずに朕を忘れたのか。」とおっしゃるのでございますか。
しかし、なぜ、マクベスなのでございますか。「ハムレット」殿下ではなく。はあ、なるほど分かりました。確かにハムレット殿下は正統の王子でいらっしゃいます。忘れるわけには参りませんな。
え、違う?「ハムレットは問題ではない。哀れなオフィーリア、あの乙女が死ぬのは、悲劇そのものだ。」と仰せでございますか。いや、オフィーリアは確かに哀れでございます。悲劇でございますとも。
すると、オセローは? 確かに忠義の武将ではございますが、別に王族ですらございませんし。
ほう、「オセローの新妻デズデモーナが、殺されている。これを悲劇といわずになんとする。」と。なるほど。ごもっとも、ごっもっともでございます。乙女だけが哀れなのではございませんな。
しかし、女性が亡くなるのが問題なのであれば、マクベスではマクダフ夫人が亡くなっていらっしゃいます。
エーッ。「あれは子供もいる中年女で別に美しくもない。」と・・・・・・。
陛下、ひょっとして、陛下は若い美女が死ぬから悲劇だとお考えなのではございませんか?
・・・・・・・。なんと、「そちと悲劇の定義について話すために来たのではない。」?
・・・・・・・。しかし、何でございますな。陛下はシェークスピアの創造した劇中の人物、はばかりながら平家めは現世の人間、陛下は1000年以上前に崩御された方、私は今生きております。陛下は極西のお生まれ、私は極東に住まいいたしております。よく、私の間違いを見つけられ、夢枕にお立ちになれるものでございますね。恐れ入りましてございます。
はぁ。「あれ以来、情報収集の必要性に目覚めた。」?!
それにしてもこんなしがないブログまで、お調べとは。プロスペロー様に弟子入りして魔法でも習われたのでございますか?
エシュロン?!
陛下はエシュロンにアクセスがおできになるのでございますか???是非、是非私めにその方法をお教え下さいませ。
・・・何をニヤニヤ笑っていらしゃるのでございますか。
陛下、お答え下さい。お答え下さい。陛下!陛下!陛下!
・・・・・・お答えいただけないようでございますな。
しかし、陛下、今、そこまで執念をお持ちなら、あのとき領地分けして、子供の世話になって楽をして暮らそうなどとお考えにならず、お亡くなりになるまで、権力を握りしめて置かれれば良かったではございませんか。忠義なケントがお諫めしていたではございませんか。あの諫言をお聞き入れになっていらしゃれば、荒野をさまよわれることもなく、コーディーリア様もお命を落とされずに済みましたものを。
・・・・・・陛下?陛下?いかがなさいました?涙だ!なぜ、お泣きになるのでございますか?
えっ。コーディーリア様のことを思い出された?・・・・・・・申し訳ございません。心ないことを申し上げました。お許し下さい。お許し下さい。
リア王陛下、お許し下さい!
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