「
「貿易黒字(バランス)減少」について」の続きです。
4月の貿易統計です。
http://www.customs.go.jp/toukei/latest/200604c.pdf
4月までの累計額を見ると、貿易収支の黒字(バランス)は、昨年と比べると34%ほど減っています。減少額は、1兆1千億円を超えています。減少の仕方は3月までと変わっていません。このまま進むと、今年のバランスは6兆円を割ります。2001年にも及ばないと言うことです。
貿易収支バランス(百万円、%)年 | バランス | 増加額 | 増加率 | 2000年 | 10,715,775 | - | - |
2001年 | 6,563,711 | -4,152,064 | -38.7 |
2002年 | 9,881,450 | 3,317,739 | +50.5 |
2003年 | 10,186,327 | 304,877 | +3.1 |
2004年 | 11,953,343 | 1,767,016 | +17.3 |
2005年 | 8,707、152 | -3,246,191 | -27.1 |
2005年4月まで | 3,330,363 | - | - |
2006年4月まで | 2,209,809 | -1,120,554 | -33.6 |
注 輸出は、FOB価格、輸入はCIF価格です。輸出入には国境の間を輸送しなければなりません。このため、運賃がかかります。また、運送の際の事故に備えた保険料もかかります。FOB価格には、このような運賃、保険料、輸入関税を含みません。従って、輸出品を日本の港(又は空港)まで運んで引き渡したときの価格です。一方、輸入に使うCIF価格は、日本の港(又は空港まで)運ばれた輸入品の引き渡しを受けるときの価格です。運賃や保険料、輸入関税を含んでいます。輸入もFOB価格にすると、相手国の港(又は空港で)受け取るときの価格で計算することになります。国境間の運賃、保険料の分だけ安くなります。
この表で
国際収支統計では、輸出にも輸入にもFOB価格を使っています。従って貿易統計と
国際収支統計を比べると輸入額は貿易統計の方が多めに示され、貿易収支の黒字は少な目に示されています。
貿易統計を紹介している理由は二つあります。
まず、発表が早いことです。もう一つは、日本国内の雇用への影響ではこちらの方がいいと思われるからです。というのは、
海上交通などには、日本人があまり従事していないからです。
このように、黒字は減っていますが、輸出は15.9%と高い伸びとなっています。
輸出(百万円、%)年 | 輸出額 | 増加額 | 増加率 | 2005年 | 65,656,544 | - | - |
2005年4月まで | 20,538,046 | - | - |
2006年4月まで | 23,794,841 | 3,256,795 | 15.9 |
輸入が25.4%増えています。
原油や原料中心です。
輸入(百万円、%)年 | 輸入額 | 増加額 | 増加率 | 2005年 | 56,949,392 | - | - |
2005年4月まで | 17,207,683 | - | - |
2006年3月まで | 21,585,032 | 4,377,349 | 25.4 |
原油、粗油の輸入(百万円、%)年 | 輸入額 | 増加額 | 増加率 | 2005年 | 8,823,323 | - | - |
2005年4月まで | 2,287,810 | - | - |
2006年4月まで | 3,870,558 | 1,582,748 | 69.2 |
原油、粗油の輸入は、69.2%増加しています。量は7.9%増加し、1リットルあたりの単価が28.2円から44.1円へ56.8%高くなっています。
1月から4月までの輸入の増加の36%は、
原油、粗油の輸入の増加によるものです。
原油・粗油の輸入の増加がなければ、貿易バランスは昨年よりよかったのですが。最近では
液化天然ガスの価格も上昇しています。無資源国日本は辛いです。
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