18年度税収

税収」で紹介した18年度の一般会計の税収見込みについて少し考えてみます。 今回は様々な特殊要因がありますので、少し複雑になります。 まず、確実なのは15年度の決算では、税収が43兆3千億円、16年度の決算では、税収が45兆6千億円あったことです。16年度は2兆3千億円の増収です。これは17年3月決算法人の法人税が増えたことが大きいでしょう。 次に、17年10月分までの税収と三月決算の企業の18年3月決算見込みを基に、17年度の税収は当初予算の44兆円から、補正予算で3兆円増額され47兆円になっています。16年度決算に比べて1兆4千億円の増加です。 これをベースに18年度の当初予算で、見込まれているのが45兆9千億円です。意外なことに補正後の17年度予算より1兆1千億円の減収という見込みなのです。 これには二つの理由があります。一つは、三位一体の改革で1兆9千億円の地方への財源委譲が行われることです。二番目は、みずほフィナンシャルグループ公的資金の返済の影響です。みずほは17年度に9千億円弱の公的資金を返済しました。このため整理回収機構には臨時の配当収入が生じ、課税されました。また、公的資金返済のための資金調達のための株式売買などにより、みずほに所得が生じ税収が生じました。しかし、機構は非営利、みずほは多額の繰越欠損金を抱えているため来18年度、税金は還付されます。これが7千億円程度あるようです。 これらを考慮すると、補正後の17年度税収の見込みは、実質46兆3千億円、18年度の見込みを48兆5千億円と考えるといいことになります。 すると、16年度に比べると17年度の増収は、7千億円となります。また、17年度に比べると18年度は2兆2千億円の増収を見込んでいることになります。 かなり強気という気がします。考えられるのは、こんな理由です。 1 17年度税制改正http://www.mof.go.jp/genan17/zei002.htm)で半減された定率減税の半減が平年度化されることによる増収1兆5,250億円を見込んでいる。2 18年4月から12月までは定率減税が半減し、1月から3月まではの廃止されることなど18年度税制改正による増収を見込んでいる。財務省ではhttp://www.mof.go.jp/genan18/zei002.pdf)4千億円ほどを見込んでいます。 3 19年3月期決算がある程度伸びる相当いいと見ている。 4 銀行の持つ多額の繰り越し損失が、17年度にかなり解消し、18年度には還付が減ると見込んでいる。 5 17年度のみずほのような返済が18年度にも行われる。 4,53,4は何とも予想ができません。1,2、3は、結局景気次第と言うことです。名目GDPがある程度成長すれば、達成できると考えているのでしょう。そうなれば、名目GDPに対する一般会計税収の割合は税源移譲分を含めた実質では高くなり、これを除けば多少低くなるでしょう。 (12月24日追記 17年度税制改正部分を追加し、それに伴って、一部修正しました。) 人気blogランキングでは「社会科学」の22位でした。クリックしていただいた方、本当にありがとうございました。今日も↓是非クリックをお願いします。 人気blogランキング