労務屋@保守親父さんが
日本経団連の「経営労務委員会報告」の若者関連部分を紹介されています。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20051220
この報告の記述にも、労務屋@保守親父さんのコメントにも共感できます。
特に、報告書のこの部分は格調が高い。
「彼ら(孫引き者注 若者のことです。)が自らを高め成長し続けることができる環境を作ることは、社会全体の課題である。」
このために、国が何をすべきかも書かれています。
「若者の雇用の改善に・・・・最も重要なのは、適切な政策運営により経済を活性化させ、若年層の雇用機会の増大を計ることであろう。」
確かに経済が活性化すれば、若者の雇用の改善が進みます。
厚生労働省の雇用動向調査では、17年の学校卒業者の入職は大幅に増加しています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/05-1/gaiyou.html#2
表5-1、5-2をご覧下さい。
学卒者の入職(万人)区分 | 16年 | 17年 | 増加 | >計 | 74.8 | 96.2 | 21.4 |
一般労働者 | 62.5 | 75.0 | 12.6 |
パートタイム労働者 | 12.4 | 21.3 | 8.9 |
確かに増えているのですが、問題はパートタイム労働者としての入職が多いことです。報告書では次のように述べています。
「現在、フリーターは200万人とも言われるが、企業はできるだけ
既卒者を含む若年者に対しては、長期的な雇用と能力開発機会の提供を拡大していくことが望まれる。」
このためには、一般労働者として入職する若者を増やさなくてはなりません。学校卒業のときからパートタイムではフリーター候補生です。職に就かない者もいるので、ここしばらくの間は、学卒者の一般労働者になれる者さらに25万人分ぐらい増やして100万人位にする必要があります。すでにフリーターになっている
既卒者を救うためにはもっと雇用の拡大が必要です。
しばらく立つと必要な数は減っていきます。こちらをご覧下さい。
http://takamasa.at.webry.info/200504/article_17.html
さて、では今回の予算は、
日本経団連の期待に応えられるのでしょうか。雇用の増加につながるように経済を拡大させる原動力は、
1 設備投資が増えること
2 貿易収支の黒字が増えること
3 政府の支出が増えること
4 家計の
可処分所得が増えること
です。
1は、今のところ期待できます。
2は、マイナスの方向で推移しています。こちら↓をご覧下さい。
http://takamasa.at.webry.info/200511/article_21.html
3は、
財政再建路線の緊縮予算で期待できません。
4は、微妙です。
定率減税の半減が来年から始まります。その効果も見極めずに完全廃止と緊縮財政をさらに進める必要があったのでしょうか。現在の状況で税収が増えていることを思うと、あえて
財政再建路線を強化するのは、それほど大きな効果も期待できないのに、高いリスクを取っていると言わざるを得ません。
ついでですが、報告書では、こう言っています。
「
若年無業者についても、その実態を十分把握して、きめ細かい対策を打っていくべきである。」
さすがに、財界は
ニートに徴兵制と考える研究者(
http://d.hatena.ne.jp/yukihonda/20051220で紹介されています。)よりはまともです。
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