政府の大きさ その11

政府の大きさ その10」について

で、お示しした表の説明です。

まず、固定資本減耗を除いた支出(「純支出」と表示しています。)は1980年度の97.4兆円から、1990年度に172.9兆円、200年度の222.9兆円まで増加し、2003年度には197.3兆円に減っています。

これは、一般政府と公的企業との間の収入、支出の相殺を完全にはしていないので、最大限これだけだと言うことです。また、年度により相殺の程度が違うおそれがあるので、年度の規模を単純に比較することは危険です。おおよその目安と考えてください。

伸びている支出は、現物以外の社会給付、現物社会移転、集合最終消費支出などです。

純固定資本形成は1980年度から200年度の間にそれほど伸びてはいません。そして2003年度にだいぶ減っています。「土建国家」ではなくなっています。

収入は、1980年度の88.6兆円円から、1990年度に189.6兆円、200年度の194.9兆円まで増加し、支出と同様に、2003年度には172.9兆円に減っています。

所得、富等に課される税の太宗を占める所得に課される税が1990年の59.0兆円から2003年度には34.3兆円へ24.7兆円も減っているのが目に付きます。これに対して、生産、輸入品に課される税の方は34.9兆円から40.8兆円に増えていますし、社会負担の受け取りも37.6兆円から52.6兆円に増加しています。

さて、収支差です。粗支出から純収入を差し引くと、1980年度は14.0兆円の支出超過、90年度は8.0兆円の収入超過、2000年度は44.7兆円の支出超過、2003年度は42.9兆円の支出超過です。2000年度に比べ2003年度は支出超過幅が小さくなっています。

この支出超過が、そのまま一般政府+公的企業のネットの財産の減少を示すかと言えばそうではありません。純固定資本形成、在庫品増加や土地の購入(純)は財産の増加を伴う支出ですからこれを除く必要があります。これを計算すると、ネットの財産は1980年度は7.0兆円の増加、90年度は33.5兆円の増加、2000年は22.0兆円の減少、2003年度も30.9兆円の減少です。2003年度には減少幅が拡大しています。

幸いなことに、国税収入は2003年度を底に回復しています。2004年度は2.3兆円の増加でした。2005年度もさらに増加しする見込みです。景気の回復とともに税収は増加するのですから、景気回復を持続させることがもっとも確実な財政再建への道です。

http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/009.htm

さて、もう一つ目に付くのが利子です。支払利子から受け取り利子を差し引いて支払い超過を計算すると意外なことが分かります。1980年度には3.4兆円の支払い超過、1990年度には2.8兆円の支払い超過、2000年度には2.5兆円の支払い超過と、支払い超過幅が減少していき、2003年度には1.2兆円の受け取り超過となっています。これは国債などを日銀などが買っているためでしょう。

なお、一般政府とは異なり公的企業には民間の持ち分があります。単純な統合には問題があるかもしれません。しかし、それなりの意味はあるでしょう。政府として作成してもらえればと思います。

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