パートタイム労働者が増えなくなったのはなぜ? その3

パートタイム労働者が増えなくなったのはなぜ? その2」では、増えなくなった理由として「反動」を考えました。

第三番目の仮説は「飽和」です。「同一賃金同一労働のアイロニーその2,3」で、パートタイム労働は、「かなり定型化されていて、本人の裁量や努力がそれほど仕事の成果に反映しないような仕事」に向いているということを書きました。

http://takamasa.at.webry.info/200503/article_4.html

http://takamasa.at.webry.info/200503/article_5.html

このような仕事が、パートタイム労働者にどんどん切り替えられていくとします。その途中ではパートタイム労働者は、増え続けます。でも、切り替えの結果、このような仕事についているのは、すべてパートタイム労働者になってしまえば、そのような仕事が増えない限りもうパートタイム労働者は増えません。フルタイム労働者も減りません。

これが「飽和」です。証拠を探してみましょう。

「その1」で使った毎月勤労統計調査の17年3月結果の第3表です。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/17/1703p/xls/1703c03p.xls

この調査は、常用雇用を取っていますので、その中のパートタイム労働者の割合を計算しました。

こうなっています。単位は%です。

調 査 産 業 計 25.2

鉱     業 3.1

建  設  業 4.5

製  造  業 13.3

電気 ・ ガス業 2.4

情 報 通 信 業 9.5

運  輸  業 10.8

卸売 ・ 小売業 41.9

金融 ・ 保険業 6.5

不 動 産 業 13.9

飲食店,宿泊業 66.2

医 療,福 祉 23.7

教育,学習支援業 21.3

複合サービス事業 22.9

サ ー ビ ス 業 26.4

産業によって随分差があります。パートタイム労働者向けの仕事は、「飲食店,宿泊業」、「小売業」で特に多く、「医 療,福 祉」、「教育,学習支援業」、「複合サービス事業」、「サ ー ビ ス 業」でもかなりあると思われますが、これらの産業がパートタイム労働者だけで成り立つ訳ではありません。

限界があるはずです。どうも、「飲食店,宿泊業」、「小売業」などでパートタイム労働者の割合が、高くなり、「飽和」している可能性があります。

では、「反動」、「飽和」以外の可能性はないでしょうか。

(つづく)

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