これからの若者は仕事を見つけられるか? その3

20歳から34歳くらいまでの若者は、団塊ジュニアの内若いグループです。若手団塊ジュニアとでもいいましょうか?若者が仕事を探すのにこんなに苦労しているのは、高度成長期以降初めてのことです。これは、彼ら、彼女らの責任なのでしょうか。なぜ、こんなことになったのか、考えてみました。

直接の原因は二つあると思います。

第一の原因は供給側のものです。団塊の世代が、引退する前に自分たちを含む団塊ジュニア労働市場に登場したので、供給がすごく増えてしまいました。団塊ジュニアでも前半は未だましだったのですが、後半になると、団塊団塊ジュニア両方が完全に労働市場に参加しています。労働力人口は少し減り始めたとはいえ、なお、日本の歴史の中で最高に近い水準にあるのです。

(最近の動きについては2月27日の記事「労働力人口は減り続けている」

http://takamasa.at.webry.info/200502/article_17.html

をご覧下さい。)

第二の原因は、需要側のものです。彼らが、1997年の金融危機に端を発した長期不況の時期に労働市場に登場してしまったことです。

最初の原因について、もう少し考えてみると、団塊の世代が、自然な形でジュニアを生んだことが原因です。子供は、生まれてから20年ぐらいで労働市場に登場します。引退年齢が55歳であったとしても、親が35歳以前に産んだ子は、親と労働市場で重なるのです。団塊世代がいる限り、団塊世代とジュニアが同時に労働者として働くのは避けられないことです。

こう考えると、団塊の世代という不自然に突出したグループが存在することが本当の原因だと言うことになります。では、なぜそのようなグループが存在したか。それは単純明瞭で、第二次世界大戦が1945年に終了し、戦争中に結婚できなかった、しなかった大勢の若者がその直後に結婚し、子供を作ったからです。

ではなぜ、戦争が終わったのか?戦争が始まったからです。始まらない戦争は終わりません。

つまり、日本、当時は大日本帝国でしたが、第二次大戦に参加したことが、現在の若者の苦境の遠因なのです。1941年に開戦を決めた、当時の政策当局者は、もちろん60年後にこんなことが起こるとは、全く予想もしていなかったでしょう。

では、なぜ、日本が第二次世界大戦に参加したのか?このように遡っていくと、話はまだまだ続くのですが、1929年のアメリカの大恐慌に行き着きます。そして、なぜ大不況が起こったかは、いろいろ議論はあるのですが、これが決定的な要因だという定説はないようです。

もちろん、アメリカで80年近く前に大恐慌が起こったとしても、必ず現在の若者が苦況に陥ると言うものではありません。途中で様々な要因、政策決定などが行われていますから、他のコースもあり得たはずです。

その中で、もっとも身近な要因が、1997年の金融危機に端を発した長期不況の発生です。これがなければ、団塊の世代団塊ジュニア世代が労働市場で共存できた可能性はありました。

長くなったので、「次回に続く」にします。

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