「「ボーナス」と「正社員」の意味」について
「「ボーナス」と「正社員」の意味」について
「同一労働同一賃金」は、意外に難しい問題です。
同一労働って何を指すのでしょう。
労働には、いくつかの側面があります。
いつ、どこで、誰が、何をして、どうなったか。
全部厳密に同じでなければならないとしたら、「誰が」の部分で引っかかって、別の人がやれば同一労働ではないということになってしまいます。
「いつ」はどこまで同じなら「同一」なのでしょう。日曜日に働くのと、火曜日に働くのは「同一」でしょうか。午前10時からの1時間の労働と午後11時からの1時間の労働は同じでしょうか。
「どこで」もどの程度違っても「同一」でしょうか。僻地での勤務、都会での勤務、違いはあるのでしょうか。
「何をするか」が同じだというのは、工場での規格化された労働などではあり得ますが、それ以外ではそれなりに差があるような場合が多いでしょう。ここでは「同一労働」とは、何なのかがよく分かりません。
「どうなったか」、これは大いに問題です。同じように働いていても成果が違うというのは、ホワイトカラー、研究者、開発者の世界ではよくあることです。
そして元に戻りますが、誰がはどこまで違っても「同一」なのでしょうか。性差別は受け入れられませんが、年齢、家族の構成、学歴、能力などはどうでしょうか。
実は正社員と正社員でない人の「同一労働同一賃金」を実行するとき、判断に苦しむことがあるのですが、その一つが正社員で「同一労働」をしている人の間で賃金に差があることなのです。何が、基準なるべき賃金なのかが分からないからです。
「同一労働同一賃金」の原則を適用できるのは意外に狭い範囲なのかもしれません。
別にいくら格差があってもいいと考えているわけではないのですが。
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