毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年3月速報)

毎月勤労統計でみる労働経済の動き(2017年2月確報)」に3月速報の数字のみ追加しました。コメントは2月の確報に対するものです。3月の確報が出れば、新しいエントリーを書くつもりです。 常用雇用は合計では2%台前半の増加が続いています。このうち一般労働者(フルタイム労働者)は2.0%の増加です。パートタイム労働者は3.2%の増加でした。1月は、人数の上でもパートタイム労働者の増加率がフルタイム労働者のものを下回りったんですが、再び元に戻りました。 常用雇用の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年8月2.00.94.7
9月2.01.33.9
10月2.21.34.5
11月1.61.14.5
12月2.32.44.4
16年1月2.11.43.6
2月1.91.92.3
3月2.11.92.8
4月2.01.53.3
5月2.01.53.1
6月2.01.62.8
7月2.01.92.4
8月2.22.12.6
9月2.21.73.3
10月2.21.82.8
11月2.22.02.8
12月2.21.92.9
17年1月2.32.32.2
17年2月2.4〔2.4〕2.0〔2.4〕3.2〔2.3〕
17年3月2.42.61.8
総実労働時間は、全体では0.5%短縮です前年がうるう年の影響でもっと減るかと思っていたのですが意外でした。フルタイムは横ばいです。平日の日数が変わらなかったためかもしれません。パートタイム労働者は2.2%の短縮です。パートタイム労働者の大幅短縮は傾向的なものです。 総実労働時間の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年8月0.30.7△0.2
9月△0.9△0.6△1.3
10月△2.7△2.6△1.4
11月0.00.6△1.5
12月△0.20.2△1.0
16年1月△0.9△0.4△0.3
2月0.40.6△0.5
3月0.71.2△0.2
4月△1.5△1.0△2.4
5月△0.8△0.2△2.1
6月△0.30.2△1.7
7月△2.5△2.5△2.4
8月△0.8△0.3△2.2
9月0.41.1△1.5
10月△0.9△0.5△2.3
11月△0.10.3△1.7
12月△0.20.2△1.6
17年1月△1.1△0.6△2.0
17年2月△0.5〔△0.3〕0.0〔0.1〕△2.2〔△2.0〕
17年3月△1.9△1.7△3.5
近似計算で、労働投入の伸びを計算すると、全体では1.9%の増加でした。1月より高くなっています。前年より1日日数が少ないことを考えると強めの数字といえるかもしれません。フルタイムは2.0%の増加でしたが、パートタイムでは半分の1.0%増でした。16年2月以降、労働投入ではフルタイム化が進んでいます。 総労働投入の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年8月2.31.64.5
9月1.10.72.6
10月△0.5△1.33.1
11月2.01.73.0
12月2.11.63.4
16年1月1.21.03.3
2月2.32.51.8
3月2.83.12.6
4月0.50.50.9
5月1.21.31.0
6月1.71.81.1
7月△0.5△0.60.0
8月1.41.80.4
9月2.62.81.8
10月1.31.30.5
11月2.12.31.1
12月2.02.11.3
17年1月1.21.70.2
17年2月1.9〔2.1〕2.0〔2.5〕1.0〔0.3〕
17年3月0.50.9△1.7
現金給与総額は、全体では名目0.4%の増加、CPIの帰属家賃を除く総合で実質化した実質賃金は0.0%の横ばい。 名目賃金の増加率(%)>
全体フルタイムパートタイム
15年8月0.4(0.2)0.7(0.4)1.7(1.4)
9月0.4(0.3)0.6(0.5)0.4(0.3)
10月0.7(0.4)1.1(0.8)0.1(△0.2)
11月0.1(0.3)0.7(0.3)△1.1(△1.5)
12月0.0(△0.2)0.4(0.2)0.5(0.3)
16年1月0.0(0.0)0.5(0.5)△0.3(△0.3)
2月0.7(0.3)1.0(0.6)0.8(△0.4)
3月1.5(1.5)0.81.5
4月0.0(0.3)0.5△0.8
5月△0.1(0.4)0.20.0
6月1.4(1.9)1.80.2
7月1.2(1.6)1.6△0.8
8月0.1(0.6)0.5△1.7
9月0.0(0.5)0.5(1.0)△0.1(0.4)
10月0.1(△0.1)0.4△0.2
11月0.5(△0.1)0.7△0.2
12月0.5(0.1)0.90.0
17年1月0.3(△0.1)0.40.0
17年2月0.4(0.0)0.4〔0.1〕△0.2〔0.2〕
17年3月△0.4△0.6△1.9
雇用と賃金を掛け合わせて、近似計算で賃金収入の変化を見ると、全体では名目2.8%、実質2.4%の増加です。1月はフルタイム化が進んでいましたが、ここでも逆転しました。 賃金収入の増加率(%)
全体フルタイムパートタイム
15年8月2.4(2.1)1.66.4
9月2.4(2.3)1.94.3
10月2.9(2.6)2.44.6
11月2.1(1.7)1.6(1.2)4.6(4.2)
12月2.3(2.1)1.8(1.6)4.9(4.7)
16年1月2.1(2.1)1.9(1.9)3.3(3.3)
2月2.6(2.2)2.9(2.5)3.1(2.7)
3月3.6(3.6)2.74.3
4月2.0(2.3)2.02.5
5月1.9(2.4)1.73.1
6月3.4(3.9)3.43.0
7月3.2(3.6)3.51.6
8月2.3(2.8)2.60.9
9月2.2(2.7)2.23.2
10月2.3(2.1)2.22.6
11月2.7(2.1)2.72.6
12月2.7(2.3)2.82.9
17年1月2.6(2.2)2.72.2
17年2月2.8(2.4)2.4〔2.5〕3.0〔2.1〕
17年3月2.02.0△0.1
パートタイム労働者の所定内労働時間は2.3%短縮し、所定内給与は横ばいですので、1時間当たりの所定内給与は名目2.3%の伸びとなっています。かなり高く、これがパートタイム労働者数の増加に結びついたのかもしれません。 人気blogランキングでは「社会科学」の4位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング