QE一次速報

明日、QE(4版期のGDP)の一次速報が発表される予定である。

これを作るためには政府のリソースが投入されているのだが、果たしてそれに見合った成果、誰かの意思決定に役立つことがあるのだろうか?

QEといえどもGDPの体系の中にあるのだから、一次統計を利用した加工統計であるはずである。ところが、多くの一次統計が作成、公表されない時点でQE一次速報は作られている。足りないものは何らかの仮定の下で推定している。加工統計としての本道を踏み外していると言えなくもない。二次速報への改訂要因は次の通り。http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/note_j.pdf

かなりの統計が出そろった段階で二次速報が作られるが、当然値は異なる。これを責め、狂いをなくせという人がいるがないものねだりとしか言いようがない。二次速報で修正されるということが分かっていると、利用は限定せざるをえない。

二次速報が出た時点で、一次速報は意味を失うし、一次速報と二次速報の差はノイズでしかない。本当のGDPは決まっていて変化はしない。単に推計値が変わるだけなのだ。

マスコミには記事の種、エコノミストには解説商売の飯の種、市場関係者には取引材料になることは分かるのだが、それ以上何の役に立っているのだろうか?景気の判断なら、多くの月単位で発表されている一次統計を利用していけばいいのではなかろうか?相当な無理をし、リソースを投入して一次速報を作る意義があるのだろうか?

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