パートタイム労働者の労働時間の短縮

毎月勤労統計でみるパートタイム労働者の雇用の動き(補足)」で、「パートタイム労働者の雇用が減少し、フルタイム労働者の雇用が拡大すれば、世間の関心を集めている平均賃金は上がり始めるでしょう。4月分の毎月勤労統計に注目です。」 と書いたのですが、意外なことが起こりました。パートタイム労働者の総実労働時間が前年同月比2.4%も短縮したのです。このような大幅な短縮は2013年3月以来のことです。労働者数は3.3%増えていますので、労働投入量は0.9%増えています。 1時間当たり所定内給与は、名目1.6%、実質1.9%増えています。価格が上がりつつ、取引量が増えるのは需要が供給より増えた場合に起こる現象ですから、需要が減った結果、労働時間が短くなったのではありません。 一つの可能性として、需要はあるのに供給が限界に達してきているので、これまでなら採用しなかった短時間しか働けない労働者の雇い始めていることが考えられます。 このような動きが続くと、労働者一人当たりの月平均賃金である現金給与総額は増加せずに減少するかもしれません。労働市場の需給が引き締まったために平均賃金が下がるという奇妙な現象が起こるかもしれないということです。 このような短縮が4月だけのことなのか、まだわかりませんが、この指標だけで経済情勢を判断するのは危険です。 人気blogランキングでは「社会科学」の8位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング