家計調査 2016年1月 その2

まず、消費に直結する世帯当たりの可処分所得ですが、市部ではわずかな横ばいです。これに対して郡部では大幅な減少です。6.5%の減少というのはいささか大きすぎるように思われます。「家計調査 2016年1月」でも書きましたが、ウェイトは市部が85、郡部が15なので、本来全国の値の変化方向は市部の方向と一致しやすいのですが、郡部での減少幅が大きすぎるため、この項目では全国でも0.9%の減少となっています。 可処分所得(円、%)
地域2016年2015年増減増減率
全国355,700359,029△3,329△0.9
市部358,901358,7971040.0
郡部336,960360,321△23,361△6.5
次に、世帯当たりの消費ですが、市部では減少、これに対して郡部では増加です。 世帯当たりの消費(円、%)
地域2016年2015年増減増減率
全国312,331320,674△8,343△2.6
市部314,726324,941△10,205△3.1
郡部298,305297,0041,3010.4
可処分所得が横ばいであった市部で消費支出が減り、大幅に減った郡部では消費が増えるという、いささか説明に苦しむような結果になっています。 「家計調査 2016年1月」で示した世帯人員の変化が影響している可能性がありますので、これを調整するために等価可処分所得とそれに合わせた等価消費支出を試算してみました。 等価可処分所得については、「等価可処分所得」で説明してあります。 等価可処分所得(円、%)
地域2016年2015年増減増減率
全国193,475194,998△1,522△2.6
市部194,928195,449△521△0.3
郡部185,210193,990△8,780△4.5
等価可処分消費支出(円、%)
地域2016年2015年増減増減率
全国169,886174,166△4,281△2.5
市部170,936177,011△6,065△3.4
郡部163,963159,9024,0622.5
このような調整をしてもうまく説明をつけることができません。消費が落ち込んでいるのは可処分所得が減ったこととは別の要因が働いているようです。 人気blogランキングでは「社会科学」の9位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング