11月の貿易統計が公表されました。「
祝 原油価格大幅低下」で示したとおり、10月は対前年同月比21%の値上がりでしたが、11月は22%の値下がりです。
「原油及び粗油」の輸入価格(1リットルあたり円)」月 | 価格(円) | 上昇率(%) |
---|
1月 | 45.3 | 10.0 |
2月 | 41.9 | -6.7 |
3月 | 42.5 | -5.8 |
4月 | 45.2 | -0.2 |
5月 | 49.4 | 3.9 |
6月 | 51.6 | 7.4 |
7月 | 53.7 | 8.8 |
8月 | 54.1 | 3.3 |
9月 | 51.5 | -2.8 |
10月 | 55.5 | 16.1 |
11月 | 58.1 | 30.6 |
12月 | 62.9 | 46.5 |
1月 | 63.3 | 39.6 |
2月 | 62.4 | 49.0 |
3月 | 62.7 | 47.5 |
4月 | 63.9 | 41.3 |
5月 | 70.5 | 42.8 |
6月 | 80.6 | 56.1 |
7月 | 88.6 | 65.1 |
8月 | 92.0 | 70.1 |
9月 | 82.2 | 59.8 |
10月 | 67.1 | 20.8 |
11月 | 45.4 | △21.9 |
2007年の10月から10%以上の値上がりが続き、。「
交易条件が悪化」して交易損失が発生していたのですが、これでもう発生しなくなるでしょう。仮に11月の単価で2007年の輸入量と仮定すると、輸入額は11兆程度です。2008年は11月まで出15兆円以上支払っています。1年で節約できる額は6兆円程度でしょう。
この額は
GDPの1%を超えます。この程度の生産の落ち込みがあっても、所得は維持できるということです。景気の下支えになるでしょう。
これに安心してやれやれと思うだけではいけません。
この際、原油を大量に輸入して備蓄すべきです。
今の価格、レートで考えると、半年分の備蓄に必要な額は5兆5千億円、611億ドルです。どこに備蓄するかといった技術的な条件も考えなければなりませんが、
建設国債を発行して調達できない額ではありません。売り手も多数いますから購入は不可能ではありません。
効果は三つあります。
1
産油国の所得と生産、そして雇用を拡大させることができます。これは縮小してしまった世界の生産、所得、雇用の拡大そのものであり、日本にとっても外需の拡大につながります。在庫が減るだけにしても、
産油国の手持ち現金は増えます。(2008年12月26日追記 手元の現金が不足しているためにストップしている投資や消費が動き出します。)アメリカにとってもヨーロッパ諸国にとっても同じことで、凍りつきかねない世界経済の再起動に大いに役立ちます。
2 ドルでの支払いが増えることにより、急激な
円高・ドル安を緩和することができます。これは日本の生産、所得、雇用の下支えになります。必要なら1年分でも、2年分でも購入すればよいのです。為替市場での介入より効果的です。
3 将来、
原油がまた値上がりしたり、輸入が途絶したときに取り崩すことができます。日本経済のアキレス腱をなくすことはできませんが、守ることはできます。
のどもと過ぎて熱さを忘れてはいけません。
円高、資源安という絶好のチャンスが訪れているのです。幸運の女神の前髪を捕まえましょう。
ここをクリック、お願いします。
人気blogランキング
人気blogランキングでは「社会科学」では73位でした。