(追記あり)
「
金融危機対処法」で取り上げたさまざまな政策を
アメリカA国がとった結果、アメリカの
短期金利は少しだけ落ち着いてきました。今週1週間の
金利の動きはこういう具合です。
(10月21日、22,23、24、25日追記あり。)
アメリカ金利とプレミアム(%)(すべて3ヶ月もの) | TB(A) | CD(B) | CP(C) | (B)-(A) | (C)-(A) | LIBOR |
---|
(8月13日) | 1.80 | 2.88 | 2.70 | 1.08 | 0.90 | 2.80 |
(9月12日) | 1.46 | 2.80 | 2.75 | 1.34 | 1.29 | 2.82 |
(9月15日) | 0.78 | 2.90 | 2.80 | 2.12 | 2.02 | 2.82 |
(10月6日) | 0.44 | 4.55 | 4.75 | 4.11 | 4.31 |
10月13日 | 0.24 | 5.45 | 4.75 | 5.26 | 4.51 |
10月14日 | 0.24 | 5.25 | 4.50 | 5.01 | 4.26 |
10月15日 | 0.24 | 4.95 | 4.75 | 4.71 | 4.51 |
10月16日 | 0.44 | 4.85 | 4.50 | 4.41 | 4.06 |
10月17日 | 0.79 | 4.75 | 4.40 | 3.96 | 3.61 |
(10月20日) | 1.06 | 4.05 | 3.75 | 2.99 | 2.69 |
(10月21日) | 1.09 | 4.05 | 3.50 | 2.96 | 2.41 | 3.83 |
(10月22日) | 1.01 | 3.85 | 3.25 | 2.84 | 2.24 | 3.54 |
(10月23日) | 1.09 | 3.75 | 3.30 | 2.66 | 2.21 | 3.54 |
(10月24日) | 0.86 | 3.75 | 3.25 | 2.89 | 2.39 | 3.52 |
(10月27日) | 0.72 | 3.75 | 3.25 | 3.03 | 2.53 | 3.51 |
(10月28日) | 0.76 | 3.75 | 3.50 | 2.99 | 2.74 | 3.47 |
(10月29日) | 0.60 | 3.65 | 3.50 | 3.05 | 2.90 | 3.42 |
(10月30日) | 0.37 | 3.50 | 2.50 | 3.13 | 2.13 | 3.19 |
(10月31日) | 0.44 | 3.20 | 2.75 | 2.76 | 2.31 | 3.03 |
(11月3日) | 0.44 | 3.20 | 2.75 | 2.76 | 2.31 | 2.86 |
(11月5日) | 0.39 | 3.05 | 2.30 | 2.66 | 1.91 | 2.51 |
(11月6日) | 0.30 | 2.65 | 2.25 | 2.35 | 2.05 | 2.39 |
(11月7日) | 0.33 | 2.60 | 2.20 | 2.27 | 1.87 | 2.29 |
(11月10日) | 0.20 | 2.60 | 2.10 | 2.40 | 1.90 | 2.24 |
(11月11日) | - | - | - | - | - | 2.18 |
(11月12日) | 0.14 | 2.60 | 2.00 | 2.46 | 1.86 | 2.13 |
(11月13日) | 0.19 | 2.60 | 2.10 | 2.41 | 1.91 | 2.15 |
(11月14日) | 0.14 | 2.70 | 2.00 | 2.56 | 1.86 | 2.24 |
(1月30日) | 0.21 | 1.10 | 1.00 | 0.89 | 0.79 | 1.18 |
質への逃避として、著しく下がっていた政府が発行する3ヶ月のTBの
金利は上昇しました。一方、銀行の発行するCD.企業の発行するCPの
金利は低下しました。結果、リスクプレミアムは小さくなってきています。もちろん、これは政府の
強引な大胆な介入の結果であり、民間だけの力でこうなったということであはりません。
(10月30日追記)リーマンブラザーズの破綻が9月15日、FFの1%から0.5%への引き下げが10月29日です。
FFの引き下げにTBは反応しているようです。
それでも、
流動性危機への対処はひとまず成功したといえるでしょう。週末、ほっとして過ごしている方も多いでしょう。こういうとき、A国の当事者たちはどのような行動を取るのでしょう?家族と過ごす?パーティーでも開く(行く)?酒でも飲む?教会へ行く?今後の予想を立てる?自分の資産の配分を考える?
なお、A国では多くの企業が短期(運転)資金の調達を、銀行からの借り入れではなく、CPの発行によってまかなっていますので、CPの市場が機能し続けること、CP
金利の安定は重要です。J国の銀行も貸し出しではなく、CPの購入に力を入れるという手もありそうです。
(10月21日追加)A国の中央銀行に日本の国債を担保に入れて、低利でドルを借りられないでしょうか。全額3ヶ月のCPに回すと約束して。1%で借りて、3ヶ月のCPに回すといい鞘が稼げるような気がするのですが。貸してくれないでしょうか?中央銀行は銀行に貸すというのが原則だと思いますが。鞘が小さいのでしょうか?いったん、CPを購入すれば、それを担保にさらに借り入れできないかと思うのですが。
資本不足への対処はまだ残っています。果たして、政府が投入できるようになった資金が銀行の資本不足を埋めるに足るものであるかどうかが問題です。大規模銀行に集中して投入したので、大規模銀行がこれまでに出した損は、相当程度埋められたと思うのですが、中小銀行が問題です。中小銀行が連続して破綻すると、資金不足になるかもしれません。また、もっと問題なのは、今後の
実体経済の悪化の過程で大手銀行にさらに損失が発生し、再度投入する必要が出る懸念があることです。
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