「
立て、日本の労務屋! その2」で、対策を考えてみたのですが、ここで、少しさかのぼって、
基礎年金番号導入の効果を検証してみます。
基礎年金番号が導入されたのは、1997年1月です。導入前は、厚生年金、
国民年金など複数の制度に加入したことのある人は、
国民年金番号と厚生
年金番号など複数の番号(正確には記号・番号)を持っていました。各制度の番号も、本来は一生同じ番号を使用しなければいけないのですが、転職して新たに加入するとき年金手帳を無くして番号がわからなくなった場合や、名前を変えて加入したときなどに、新しく番号を付けていたのです。
こういう状態が続くと、年金支給に様々な問題が起こるので、
基礎年金番号(1人1番号)を導入して、制度間を移っても同じ番号を使うことになりました。また、必ず番号があるので、新しい番号を作ることも、原則としてはなくなったのです。
その効果は出ているようです。次の表は
基礎年金番号に結びつけられていない古い
年金番号の数(2006年6月)と人口(2005年
国勢調査)の比較です。
20歳代の方は
基礎年金番号が導入されて以降、年金に加入しています。結びつけられていないのは、91,492件だけです。人口に対する割合は0.6%に過ぎません。
その上の30歳から34歳は、2桁多い1,515,187件。人口に対する比率をとると15.5%です。この差が制度導入の効果と考えていいでしょう。
なお、誤解を生むかもしれないので付け加えておきます。転職を繰り返した人は、一人でたくさんの番号を持っていますから、この比率は
基礎年金番号に結びつかない古い番号を持っている人の割合ではありません。
社会に出てからの期間が長くなると、転職や改名などの機会が増えますから、この比率は上がっていきます。85歳以上では、100%を超します。
結びつかない番号と人口年齢(歳) | 番号の数(件) | 人口(人) | 比率(%) |
---|
20から29 | 91,492 | 15,630,647 | 0.6 |
30から34 | 1,515,187 | 9,754,857 | 15.5 |
35から39 | 2,641,081 | 8,735,781 | 30.2 |
40から44 | 2,566,662 | 8,080,596 | 31.8 |
45から49 | 2,957,846 | 7,725,861 | 38.3 |
50から54 | 4,589,535 | 8,796,499 | 52.2 |
55から59 | 7,784,068 | 10,255,164 | 75.9 |
60から64 | 5,361,899 | 8,544,629 | 62.8 |
65から69 | 5,513,866 | 7,432,610 | 74.2 |
70から74 | 4,882,313 | 6,637,497 | 73.6 |
75から79 | 3,703,682 | 5,262,801 | 70.4 |
80から84 | 2,641,015 | 3,412,393 | 77.4 |
85から89 | 1,871,595 | 1,849,260 | 101.2 |
90から94 | 1,627,432 | 840,870 | 193.5 |
95から99 | 1,278,265 | 211,221 | 605.2 |
100以上 | 1,623,324 | 25,353 | 6,402.9 |
不明 | 301,841 | 482,341 | 62.6 |
合計 | 50,951,103 | 103,678,380 | 49.1 |
合計の内厚生年金 | 39,661,821 | | |
合計の内国民年金 | 11,289,282 | | |
20から64 | 27,507,770 | 77,524,034 | 35.5 |
65以上 | 23,141,492 | 25,672,005 | 90.1 |
65以上(新法) | 16,740,876 | 22,745,301 | 73.6 |
(2007年6月23日 表に「合計」の行を追加しました。)
(2007年6月27日 表に「合計」の内訳を追加しました。)
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