立て、日本の労務屋!

これだけ「宙に浮いた年金」が話題になると、人事、労務担当者もいろいろ相談や問い合わせを受けているのではないかと思います。元々、厚生年金は国、企業、労働者がきちんと手続きをしていないと機能しない制度です。残念ながら、従業員がそれほど知識を持っているとは限りません。ここは労務屋の出番でしょう。従業員のために一肌脱いではどうでしょうか?

まず、厚生年金保険に加入している社員に呼びかけて、年金手帳を2冊以上持っている社員がいるかどうか、年金手帳のほかに厚生年金被保険者証を持っている社員がいるかどうか確認してみる。これが大事な出発点です。案外大勢いるのではないでしょうか。特に、中途採用をたくさんしている企業では、やってみる価値があると思います。

もし持っている社員がいたら、1997年から使われている青い色の表紙の年金手帳があるかどうかを調べるのが、これが分かれ道です。

1 青色の手帳がある場合

そこに基礎年金番号が書かれています。6975-824180と言う風に4桁と6桁、合計10桁の番号です。

この番号と、青色以外の厚生年金手帳、国民年金手帳、船員手帳の記号番号(かなり古い人だと厚生年金被保険者証を持っているかもしれませんがから、この被保険者証も調べた方がいいです。)が違っていると、記録が統合されていないかもしれません。会社で、社会保険事務所へ問い合わせるか、社労士さんに頼んで処理してもらいましょう。

2 青色の手帳がない場合

1997年1月1日に加入していた厚生年金の記号(4桁)番号(6桁)、国民年金の記号(4桁)番号(6桁)が、基礎年金番号になっています。どの手帳が1997年1月1日ものかをまず確かめて、基礎年金番号を確定しましょう。後は、1と同じです。

なお、本人が知らないうちに、20歳になったら親が国民年金の手続きをしていて、手帳も親が保管していることがあるようです。若い人を採用している企業では、社員に実家に手帳がないかどうか確認させた方がいいかもしれません。

宙に浮いた記録が5千万件、これを受給者3千万人と突合すると、なんと1,500兆の組み合わせを調べることになります。コストは何らかの形で国民、企業の負担になってしまいます。年金手帳があれば、宙に浮いた記録を着地させるのは簡単です。1件減らせれば、突合を3千万件減らせます。

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