「
貿易黒字(バランス)減少」の続きです。3月の貿易統計です。
http://www.customs.go.jp/toukei/latest/200603c.pdf
3月までの累計額を見ると、貿易収支の黒字(バランス)は、昨年と比べると34%ほど減っています。減少額は、8千億円を超えています。
貿易収支バランス(百万円、%)年 | バランス | 増加額 | 増加率 | 2000年 | 10,715,775 | - | - |
2001年 | 6,563,711 | -4,152,064 | -38.7 |
2002年 | 9,881,450 | 3,317,739 | +50.5 |
2003年 | 10,186,327 | 304,877 | +3.1 |
2004年 | 11,953,343 | 1,767,016 | +17.3 |
2005年 | 8,707、152 | -3,246,191 | -27.1 |
2005年3月まで | 2,382,827 | - | - |
2006年3月まで | 1,574,919 | -807,908 | -33.9 |
注 輸出は、FOB価格、輸入はCIF価格です。輸出入には国境の間を輸送しなければなりません。このため、運賃がかかります。また、運送の際の事故に備えた保険料もかかります。FOB価格には、このような運賃、保険料、輸入関税を含みません。従って、輸出品を日本の港(又は空港)まで運んで引き渡したときの価格です。一方、輸入に使うCIF価格は、日本の港(又は空港まで)運ばれた輸入品の引き渡しを受けるときの価格です。運賃や保険料、輸入関税を含んでいます。輸入もFOB価格にすると、相手国の港(又は空港で)受け取るときの価格で計算することになります。国境間の運賃、保険料の分だけ安くなります。
この表で
国際収支統計では、輸出にも輸入にもFOB価格を使っています。従って貿易統計と
国際収支統計を比べると輸入額は貿易統計の方が多めに示され、貿易収支の黒字は少な目に示されています。
貿易統計を紹介している理由は二つあります。
まず、発表が早いことです。もう一つは、日本国内の雇用への影響ではこちらの方がいいと思われるからです。というのは、
海上交通などには、日本人があまり従事していないからです。
このように、黒字は減っていますが、輸出は17.6%と高い伸びとなっています。
輸出(百万円、%)年 | 輸出額 | 増加額 | 増加率 | 2005年 | 65,656,544 | - | - |
2005年3月まで | 15,033,720 | - | - |
2006年3月上旬まで | 17,677,404 | 2,643,684 | 17.6 |
輸入が27.3%増えています。
原油や原料中心です。
輸入(百万円、%)年 | 輸入額 | 増加額 | 増加率 | 2005年 | 56,949,392 | - | - |
2005年3月まで | 12,650,894 | - | - |
2006年3月まで | 16,102,485 | 3,451,591 | 27.3 |
原油、粗油の輸入(百万円、%)年 | 輸入額 | 増加額 | 増加率 | 2005年 | 8,823,323 | - | - |
2005年3月まで | 1,648,020 | - | - |
2006年3月まで | 2,808,529 | 1,160,509 | 70.4 |
原油、粗油の輸入は、70.4%増加しています。量は4.1%増加し、1リットルあたりの単価が26.69円から43.69円へ63.8%高くなっています。
1月から3月までの輸入の増加の34%は、
原油、粗油の輸入の増加によるものです。
仮に、2005年と
原油、粗油の輸入量が変わらず、単価が43.69円になると、2006年の輸入額は、10,870,206百万円となり、増加額は2,046,883百万円となります。これだけでも名目GDPの0.4%になります。他の資源の輸入額も増えていることを考えると、かなりの影響を想定すべきでしょう。
2006年4月23日追記 2005年1-3月の
原油・粗油の輸入額の数字を修正しました。
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