高松塚古墳

高松塚古墳の壁画がカビによって汚染され、古墳を解体の上保存しなければならなくなってしまいました。残念なことです。

原因の一つは2001年に行われた取り合い部の崩落部分の修復工事に合ったようです。

高松塚古墳の保存施設入室についてはこんなマニュアルがあったようです。

1 搬入部品はすべて消毒用アルコールで減菌する。

2 入室する際には防護服を着る。

これを守っていれば防げたのかどうかは分かりません。

しかし、文化庁が作業を委託した(請け負わせたのかもしれません。)業者は、このマニュアルを守らなかったようです。

市場化テスト その7」で書いたような契約を結ぶ技術の問題として考えることができます。

業者がマニュアルを自発的に守ると期待しては行けなかったことは明らかです。すると、問題は、「なぜ、業者にマニュアルを守らせることができなかったか?」です。

いくつか可能性があります。

1 初歩的なことですが、契約の中に「マニュアルに従うこと」が書かれていなかった。

2 現場でマニュアルに従って作業をするよう指示をする権限を、契約上文化庁が持っていなかった。

3 現場で指示をする権限を契約上文化庁が持っていたが、その指示をする権限を持った職員が現場にいなかった。

4 職員がマニュアル順守の状況を現場で監視していなかった。

5 現場で監視はしていたが、指示をしなかった。

6 一旦、作業終了を確認した後は、問題が起こっても業者は賠償責任を負わないような契約であった。(この場合、業者には手抜きのインセンティブが強く働きます。)

7 代金が安すぎ、とうていマニュアルを守っていては採算が合わないような金額だった。競争入札か、随意契約かよく分かりませんが。

8 元々予算が不十分で、業者に損を承知で委託を受け得もらったのでマニュアル遵守を強く言えなかった。

4月15日の毎日新聞の記事を見る限り、4の可能性は薄いようです。

失敗したことは明らかです。将来のために、何が問題だったのかを知る必要があります。今後も、同じような失敗を繰り返さないために。

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