「
介護と女性の仕事 その1」では、中年以降の女性が、大勢介護をされていると言うことを示しました。一口に介護といっても様々なレベルがあり、必ずしも仕事に差し支えると限ったものではありません。介護をすると仕事を辞めなければならないと決まってはいません。では、介護は実際にはどの程度、女性の就業の妨げとなっているのでしょう。
これを、正確に示す統計は今のところ見あたりません。
といってしまっては、どうしようもないのでとりあえず。
厚生労働省の平成15年の
国民生活基礎調査から、資料を作ってみました。
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/030/2003/toukeihyou/0004715/t0100175/T22_001.html
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/030/2003/toukeihyou/0004715/t0100176/T23_001.html
就業したいが仕事を探していない理由(%)年齢 | 育児 | 介護 |
---|
20から24歳 | 1.9 | 0.1 |
25から29歳 | 6.9 | 0.1 |
30から34歳 | 11.0 | 0.3 |
35から39歳 | 8.0 | 0.3 |
40から44歳 | 2.2 | 0.6 |
45から49歳 | 0.3 | 1.1 |
50から54歳 | 0.1 | 1.3 |
55から59歳 | 0.1 | 1.2 |
60から64歳 | 0.0 | 1.0 |
65から69歳 | 0.0 | 0.4 |
この調査では、女性を次のように分類しています。
全体
Ⅰ 就業している
Ⅱ 就業してない
1 すぐにでも就業したい
(1)仕事を探している
(2)仕事を探していない
育児
介護
育児・介護以外の家事
健康に自信がない
適当な仕事がありそうにない
2 現在のところ就業希望なし
3 就業希望不詳
Ⅲ 通学
ここで示したのは女性全体のうち何%が「就業しておらず、すぐにでも就業したいと考えているが
介護のために仕事を探していない」かです。
影響としては、育児に比べれば少ないようです。45歳から64歳ぐらいまで影響を与えています。しかし、これだけが介護の影響かと問われれば、必ずしもそうではないと答えるほかありません。
このほかにも介護のために
フルタイムの仕事に就きたいけれどもパートタイムの仕事に就いている
仕事を探しているが見つからない
現在のところ就業を希望しない
といったケースが考えられるからです。
これを調べたいと思えば、介護をしている女性とそうでない女性で、就業割合がどの程度違うか、雇用形態がどのように違うか、仕事を探している割合がどの程度違うか、などを調べなければなりません。今のところそのような集計は行われていないようです。
注 この統計をもっと詳しくお知りになりたい方は、
「
労働・社会統計の入り口」をご利用下さい。
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