政府の大きさ その9

政府の大きさ その8」でお示しした表の説明です。 意外と思われるかもしれない点がいくつかあります。 まず、収入でも支出でも「利子」がほとんどを占めています。これは、公的企業に多くの金融機関が含まれていることを反映したものです。特に、日銀が含まれているのが決定的でしょう。 支出面で、利子に次ぐのは純固定資本形成です。公的企業といえども企業である以上、資本設備は必要ですから、当然といえるでしょう。公的企業は償却の範囲を超えた投資を続けているのです。ただ、その額は減り続けています。 利子以外の収入では、営業余剰と資本移転が大きいです。この営業余剰は固定資本の減耗分を差し引いた純固定資本形成です。営業余剰を出している企業である以上当然とも言えます。赤字を出していないのは立派と言えないこともないでしょうが。資本移転の中身はよく分からないのですが、公的企業という性格から言えば一般政府からの補助金が多いのではないかと思います。 収入、支出の規模を見ると大きな変動を示しています。これは利子の額の変動が大きいためです。2003年度の支出23.7兆円、収入29.1兆円というのは、一般政府と比べれば1桁小さな値です。(公的企業の範囲、一般政府の収入、支出の規模は、「政府の大きさ その1」をご覧下さい。) さて、この収入と支出の差を見ると、2000年度までは支出超過でしたが、2003年度には収入超過、それも5.4兆円という巨額の収入超過になっています。支出の中には財産として残る純固定資本形成と土地の購入(純)が含まれていますから、これを除いて考えると一貫して収入超過です。 この点は一般政府とかなり違います。 このような収入超過をもたらしているのは何かというと、利子です。1980年度を除き、受け取る利子の方が支払う利子より多いのです。この差額は1990年度、2.5兆円、2000年度、5.1兆円、2003年度、8.4兆円と拡大を続けています。 人気blogランキングでは「社会科学」の40位でした。今日もクリック↓をお願いします。 人気blogランキング