日本人を増やす方法

日本人人口6月は増加」で、日本にいる日本人の自然増が1,156人だったことを書きました。「1年前に比べて日本人が減った。」となるのは時間の問題でそうなったときには、新聞に大見出しの記事が掲載され、テレビでも「少子化」か「人口減」の特集番組が放映されるでしょう。 対策が講じられてはいるのですが、効果はあまり出ていないようです。 一つ単純な対策を見つけました。効果は限られていますが、確実な方法です。 日本に来て働いている日系人に赤ちゃんが産まれています。この子供達に日本国籍を与えるのです。 国籍を決めるのに二つの考え方があります。一つは血統主義、もう一つが出生地主義です。血統主義は、簡単に言えば「日本人の親から生まれた子は日本人」ということです。出生地主義とは「日本で生まれた子は日本人」という考え方です。今の日本は「血統主義」を取っています。親の一人が日本人ならどこで生まれても日本人です。 日系人は日本人ではありませんが、遡れば日本人であった先祖がいるのですから、先祖が日本国籍を放棄しなければ日本人であったわけです。彼らが日本に来て産んだ子には国籍を与えても構わないのではないでしょうか。血統の面で弱いことは出生地で補うことにして。 そういう子供達は、年に3,500人程度生まれています。16年の人口動態統計をご覧下さい。 http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/010/2004/toukeihyou/0004983/t0108935/WB040000_001.html 日本で生まれた外国人は11,623人です。そのうち2,704人がブラジル人の母親から、763人がペルー人の母親から生まれています。このほとんどは日系人の母親でしょう。その他の国籍の母親から生まれた子が1,790人います。この中にも日系人の子がいるはずです。3,500人ぐらいはいると見ていいでしょう。 二重国籍になることも多いでしょうが、この子達に日本国籍を与え、国民としての権利、特に義務教育を受ける権利を保障して、差別なく受け入れれば、成人して国籍を選択するとき、多くは日本の国籍を捨てないでしょう。 国籍を与えずに放っておけばどうなるでしょう。というよりも、放っておいている現在何が起こり始めているのでしょう。日系人が大量に日本に移民してきてすでに10年以上立っています。日系人の子が日本で大勢生まれ始めて十数年経っているのです。 まず、彼らは日本人社会にとけ込んでいません。義務教育を受けていないのですから、日本語の読み書き能力が不十分です。一緒に学校に行っていないのですから友達もできにくく、日本の習慣も十分なじめないのです。 では、ブラジルやペルーに帰れるでしょうか。法的には可能です。自国民が帰ってくるのを拒む国は(普通の国であれば)ありません。しかし、日本で生まれ、育った彼らには自分億には外国同然です。彼らはずっと日本にいるでしょう。しかし、日本でいい職業に就くのは難しいでしょう。単に仕事を見つけるだけでも大変でしょう。 日本にとけ込めない、日本に拒まれた彼らはどうなるでしょう。 フランスで起こっている事態が参考になります。 駐日フランス大使のべルナール・ド・モンヒェランさんが「パリ郊外でおきたこと」でこう述べられています。「これは民族や宗教が発端となったものではありません。・・・これは一つのイデオロギーに裏打ちされた革命的なものでもありません。むしろ、労働市場から遠ざけられた結果、社会的に認めてもらえない若者達が一つの通過点として、自分たちの大きな不満を爆発させているのだと、多くの観察者は分析しています。」。また「フランス国内の暴動について」では、「不完全な教育、親の権威の不在、そして働くことが出来ないという、社会的な危機感を表現しているのです。ですから経済や社会に対する要求はあっても、宗教やアイデンティティーに関する要求はないのです。」とも書かれています。 フランスの移民達の多くは、フランス国籍を持ち、義務教育を受け、社会保障も受けられるのです。 日系人の子供達には、日本国籍はありません。義務教育も受けていません。仕事を見つけるのも困難でしょう。人数が少ないので、多分大規模な暴動にはならないでしょうが、様々な問題が発生するのは時間の問題です。 彼らを同胞として受け入れてはどうでしょうか。