一般に公正妥当と認められる逸失利益? その1

bewaadさんが「一般に公正妥当と認められる逸失利益とは」http://bewaad.com/20050616.htmlで、最高裁の判決の妥当性を論じてられます。面白い議論なので少し統計のサイドから議論してみます。 bewaadさんが、平成16年賃金構造基本統計調査(俗称賃金センサス)から男性労働者の年間賃金収入を試算されています。少し勘違いをされているようなので、本論に入る前に、説明をしておきます。次の表は男性のフルタイム労働者の賃金に関するするデータです。全学歴、企業規模の平均値です。 一列目は年齢です。 二列目は、「決まって支給する現金給与額」です。単位は千円。月額です。18から19歳だと19万1千6百円です。 三列目は、「年間賞与その他の特別給与額」です。やはり単位は千円ですが、こちらは年額です。18から19歳だと10万7千5百円です。 このデータを使って年間賃金総額を簡便に計算するには、、「決まって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他の特別給与額」とするのがよいでしょう。この方法はよく使われています。少し問題はあるのですが。こうやって計算したのが4列目です。単位は千円です。18から19歳だと240万7千円です。
年齢現金給与額(月額)特別給与額(年額)年間賃金総額労働者数(10人)
年齢計 367.7 1014.6 5,427 1,586,815
~17歳154.9 27.3 1,886 525
18~19  191.6 107.5 2,407 12,526
20~24 229.8 347.4 3,105 100,437
25~29  277.5 626.2 3,956 205,395
30~34  328.0 843.0 4,779 244,580
35~39  384.8 1109.3 5,727 213,612
40~44  417.5 1281.6 6,292 189,263
45~49  439.1 1370.1 6,639 179,741
50~54  439.5 1337.7 6,612 192,499
55~59  421.7 1209.0 6,269 172,170
60~64  314.0 663.5 4,432 55,676
65~    287.6 514.1 3,965 20,391
年齢計(単純) 4,897 概してbewaadさんの試算よりは小さくなります。 人気blogランキングでは「社会科学」の41位でした。クリックしていただいた方、ありがとうございました。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング