「逆さ年齢」の勧め

中高年の女性が元気だという話を時々聞きます。男が元気がないとも言えます。ただ、この話、エピソードというかいくつかの事例で語られることが多く、女性全体、男性全体を捉えた比較はあまり行われていないように思います。

平均寿命は、女85歳、男78歳です。これは、若い男が概して若い女性よりよく死ぬ、早死するということも影響しています。中高年になった男女で比較するとどうなるのでしょう。簡易生命表を基に考えてみました。

男の子の将来」から、平成15年の簡易生命表にリンクを張ってありますので、ご覧ください。

まず、男40歳を取ってみます。昔だと不惑ですね。40歳の男が平均すると後何年生きると見込まれるか、これを平均余命といいますが、39.7年です。要するに40男はちょうど人生半ばをすぎたということです。(女性だと44歳で、平均余命が42.3年になります。)

ところで、女性の平均余命が、男40歳の平均余命である39,40年になるのは何歳か。47歳です。平均余命は39.5歳です。47歳の女性は、40歳の男性と同じぐらいの年数を生きるということです。

生まれてからの年齢で考えると男40歳に釣り合うのは40歳の女性です。当たり前ですね。でも、残りの年数が釣り合う女性は47歳です。残りの人生で年齢を考えたらどうでしょうか。これを「逆さ年齢」と称することを提案します。

47歳の女性が40歳の男性を見るとき、「この人は女でいえば私と同じ47歳なんだ。」と思えば、それほど「男が元気がない。」とはならないのではないでしょうか。あるいは、「私はまだ男でいえば40歳。」と称すればいいのです。

逆に、40歳の男が同い年の女性を見るときは、「この人は、実は男でいえば33歳なんだ。」と思えばいいことになります。

この7歳程度の差というのは徐々に縮んで行くのですが、そのペースはかなりゆっくりとしています。基礎年金をもらいだす65歳での平均余命は、男、18年、女、23年です。5年差です。男性65歳に釣り合うのは70歳の女性です。

確かに、中高年では女性の方が元気がいいのです。

年金の話のついでですが、女性が長生きだということは、逆の面からいうと長生きしている間の生活の心配をしなければならないということでもあります。公的年金は大きな支えでしょう。

基礎年金制度だけ見れば、「女性に有利」、とも言えますが、(何しろ同じ掛け金で5年分、満額だと400万円ぐらい多く受け取れます。)長生きというリスクを負う女性には、そういう仕組みが必要なのだとも言えるでしょう。

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