児童手当 その2
前回に引き続き、児童手当について。
そもそも児童手当は必要なのか、優先順位は高いのかという議論をして見ようと思います。児童を持つ世帯の生活実感を調べたいということです。普通、世帯の格差を調べるなら、所得が高いかを調べればいいのですが、この場合はそれでは不十分です。なぜかというと子供を持つ年代の所得は高いのが普通で、子供のいない世帯のと単純に比べると子供のいるほうが所得が高いと出るからです。細かな分析の方法はありますけれども。
ここではあっさり、実感を比べたいと思います。
世帯の意識を調べた大規模な調査というのは少ないようですが、この問題については、ちょうどいい調査があります。平成15年の国民生活基礎調査です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa03/2-5.html
これによると、全世帯では
大変苦しい 22.4%
苦しい 31.5%
普通 41.8%
児童のいる世帯では
大変苦しい 26.4%
苦しい 36.4%
普通 33.9%
です。
これに対して社会保障の支出の多くが向けられている高齢者世帯では
大変苦しい 19.7%
苦しい 27.9%
普通 48.1%
です。
やはり、児童のいる世帯の生活実感は、厳しいようです。高齢者世帯は以外にいいようです。客観的に見れば、また違う結果が出るかもしれません。
しかし、実感というのは無視できません。児童のいる世帯への経済的な支援は、合理性があるといえるでしょう。