所謂「人手不足」対策
対策を考えるうえで、企業を二つの基準で4つに分類することが便利かもしれない。
最初の基準は、企業が労働者の能力と意欲をうまく引き出し、高い付加価値労働生産性をあげているかどうか。上げている企業は賃金支払い能力がある。
二つ目は、労働者から見て納得のいく賃金を支払っているかどうか。
1 高い付加価値労働生産性を挙げていて、労働者が納得のいく賃金を支払っている企業
こういう企業が人手不足に陥ることは考えにくいが、あるとすれば急速に成長している場合が考えられる。税金を使って支援するまでもなく、自力で解決するだろうから、政府は労働市場での情報の流通の改善をするだけでいい。
2 高い付加価値労働生産性を挙げているが、労働者が納得のいく賃金を支払っていない企業
こういう企業は人手不足になるだろう。しかし、税金を使って支援する必要はない。
3 付加価値労働生産性が低く、労働者が納得のいく賃金を支払っている企業
人手不足になるかどうか分からないが、基本的には税金を使ってまで支援する必要はないだろう。
4 付加価値労働生産性が低く、労働者が納得のいく賃金を支払っていない企業
人手不足になりやすいだろうが、衰退していくべき企業と言えよう。税金を使ってまで支援する必要はないだろう。
ただ、付加価値労働生産性の低い企業であっても、政府の価格統制によって、これが低いのなら、話は別にしなければならないだろう。この場合政府がなすべきことは、直接の人手不足対策ではなく、適切な価格統制、おそらくは価格の引き上げだ。
また、付加価値労働生産性が低い企業がそれを引き上げようとしているなら、それを支援することには意味があるかもしれない。
ただ、付加価値労働生産性が低い企業がそのままも状態で存続できるようにするような支援、人手不足対策は必要がない。貴重な労働力を浪費することになるからだ。
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