牛丼は経済学でいう劣等財

低賃金ビジネスモデルからの脱却」で経済学でいう劣等財に触れましたが、ちょうどいい例がありました。なお、ここで劣等とか正常とか使っているのはあくまで経済学の用語としてです。商品としてはちゃんとしたものであっても経済学では劣等財ということはありますので、誤解のないようにお願いします。 読売新聞の2014年2月11日の記事です。 ゼンショーホールディングス傘下で、牛丼チェーン業界4位の「なか卯」は10日、「牛丼」の販売を今月12日午前11時に終了し、それに代わる新メニューとして「牛すき丼」を発売すると発表した。  なか卯は「牛丼チェーンから、丼チェーンへの転換を図る」(広報)としている。  なか卯は牛丼を約40年間販売しており、2010年には、並盛りを290円へ値下げした。割安感もあって全注文数の3割強を占める集客メニューだったが、吉野家などライバルが280円で販売するなど、競争環境が厳しかった。  さらに、景気回復が進む中で、消費者のニーズが高価格帯に移りつつある。なか卯でも、並盛りの値段が牛丼より2倍前後高い親子丼やカツ丼の売れ行きがよくなった。  牛すき丼は、並盛り350円。牛肉のほか、すき焼きに欠かせない豆腐、長ネギなどを具材に使い、従来の牛丼より甘い味付けにした。 景気回復によって所得が増えると、牛丼への需要が減り、親子丼やかつ丼の需要が増えるようです。だとすると、牛丼は劣等財、親子丼やかつ丼は正常財ということになります。 牛丼の販売停止、牛すき丼の発売は、商品の転換です。 ビジネスの世界では、私がおせっかいを焼かなくても対応が進められているようです。それが市場メカニズムの強みでありますが。ところで牛すき丼は正常財でしょうか。 もう一つ、牛丼チェーン、丼チェーンではパートやアルバイトの賃金は上がっているのでしょうか? 人気blogランキングでは「社会科学」の24位でした。今日も↓クリックをお願いします。 人気blogランキング