浜岡原子力発電所が安全であることの価値は変動する。

浜岡原子力発電所http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/index.html)の運転が停止されています。原子力発電所で事故が起こったときには、止める、冷やす、封じ込めるが大切だそうですが、運転を停止していれば、「止める」は確実、「冷やす」は少し時間をかければ達成となります。「封じ込める」は、万一の可能性はありますが、無視してもいいぐらいなのでしょう。安全になったということです。 さて、運転停止に至る経緯、手続きにはいろいろ議論があるようですが、ここでは、浜岡原子力発電所が安全であることの価値を考えてみたいと思います。 ふつうこの価値を考慮するときには、万一のことがあった場合に予想される被害×万一のことが起こる確率+αといったことを考え、それに応じて安全であることの価値を考えるだろうと思います。 私が考えているのは、この価値は条件付きの価値なのではないだろうかということです。万一のことがあった場合に予想される被害×万一のことが起こる確率+αという式に含まれている万一のことがあった場合に予想される被害は、万一のことが起こった場合に政府がどの程度対応できるかによって変わってきます。 すると、政府に対応余力が十分にある場合の価値と政府に対応能力がない場合の価値に差があっても不思議ではありません。たとえ、発電所の安全システムや地震などが起こる確率が一定で、結果として原子力発電所に万一のことが起こる確率が一定であってもです。 現在、福島第一原子力発電所で事故が起こり、対応のために政府が最大限の力を注いでいます。もし、浜岡原子力発電所で万一のことが起こったとしても、政府がこちらに投入できるリソースは限定されたものになっているでしょう。すると、政府に余力がある場合に比べて被害が大きくなる可能性はゼロではなく、ゼロに近くもなく、かなりの大きさであることが十分に予想されます。 福島で事故が起こっているという条件のもとでは、起こっていないという条件の時より、安全であることの価値は高いと、かなり確実に言えるでしょう。 そうであれば、福島で事故が起こっていないときには運転を認めても、福島で事故が起こっているときには運転を認めないという判断は合理的です。 このような条件付きで運転の可否を決められるシステムは、あるのでしょうか?ないなら、作るべきだと思います。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では43位でした。