「「『社会保険方式』という言葉を『拠出方式』に変えたらどうだろうか?」の補足」の補足

「『社会保険方式』という言葉を『拠出方式』に変えたらどうだろうか?」の補足」で 拠出方式の年金制度で拠出の義務を果たしていないものでも、非拠出方式の年金制度から給付を受けることができることが絶対条件です。 もし、非拠出方式の年金制度から給付を受けるためには、拠出方式の年金制度で拠出義務を果たしていることが条件になるなら、定義により、それは全体として拠出方式の年金制度だということになります。 と書きました。 拠出方式の年金制度と非拠出方式の年金制度を併存させるケースを考えてみます。 「拠出方式の年金制度で拠出の義務を果たしていないものでも、非拠出方式の年金制度から給付を受けることができる」システムは、おそらく、非拠出方式が主たる年金制度で、拠出方式の年金制度が付加的な場合です。 たとえば、税金を基にしてすべての高齢者に定額の年金を支払う制度がメインの制度として存在する。さらに給与所得を得ているものに限って、給与に比例して保険料をとり、保険料に応じて年金を払うという制度が、メインの年金制度を補完する、あるいは上乗せする形で作られている場合です。この場合には補足的な年金に加入していなかったり、保険料を払っていなくてもメインの年金を受け取れるのは当たり前です。誰も文句は言わないでしょう。 一方、拠出方式の年金制度がメインで、その制度で支払われる年金が少ない場合に、付加的に税金で年金を支払うケースも考えられます。この場合、メインの制度にわざと加入しなかったり、保険料を払わなかった結果、年金がゼロであったり、少ない者に税金で年金を支給するというのは変です。正直者が損をしてしまいますから。この場合には、メインの制度で保険料をきちんと支払っていたこと、つまり拠出していたことを、付加的な年金の給付の条件にせざるを得ないでしょう。この場合には、付加的な税金の財源は全額税であり、全額税方式であるけれども、この制度全体は、拠出方式の年金制度であるということになります。 まあ、このあたりが社会保険方式、(全額)税方式という言葉を使うのが紛らわしいと、私が感じている理由です。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では39位でした。