やっぱり、原油を買おう。

原油価格大幅値下がり。今こそ原油を買おう。」から、1ヶ月飛ばしてしまいました。 2009年2月の貿易統計が公表されました。1月は対前年同月比61.1%の値下がり、2月は59.0%の値上がりです。 原油及び粗油」の輸入価格(1リットルあたり円)」
価格(円)上昇率(%)
2007年1月45.310.0
2月41.9-6.7
3月42.5-5.8
4月45.2-0.2
5月49.43.9
6月51.67.4
7月53.78.8
8月54.13.3
9月51.5-2.8
10月55.516.1
11月58.130.6
12月62.946.5
2008年1月63.339.6
2月62.449.0
3月62.747.5
4月63.941.3
5月70.542.8
6月80.656.1
7月88.665.1
8月92.070.1
9月82.259.8
10月67.020.7
11月45.4△21.9
12月32.4△48.5
2009年1月24.7△61.1
2月25.6△59.0
ドル建ての原油価格は少し回復してきていますし、対ドル円レートも下がってきています。有力な景気下支え要因である交易利得が減ってしまうのは残念ですが、2008年よりは安いのでまだまだ相当な額が期待できます。 また、価格が上がり始めたといっても、安いことに変わりはありません。しつこいようですが、あえて書きます。 この際、原油を大量に輸入して備蓄すべきです。 今の価格より少し高く見て30円として、半年分の備蓄は120,000千キロリットルだとすると、必要な額は3兆6千億円、360億ドル(1ドル=100円で計算しました。)です。貿易信用に220億ドル出す予定ですが、こちらもやれば良いと思います。 なお、貿易信用の220億ドルは、2008年の貿易収支の黒字額にほぼ一致しています。貿易で世界から金を吸い上げたのですから、その分還元しないと世界が資金不足に陥ります。極めて適切な対応だと思います。これが呼び水になって、G20でも貿易信用の拡大が決まりましたから、日本の国際経済政策としては、希に見る大ヒットでしょう。 効果は三つあります。 1 産油国の所得と生産、そして雇用を拡大させることができます。これは縮小してしまった世界の生産、所得、雇用の拡大そのものであり、日本にとっても外需の拡大につながります。在庫が減るだけにしても、産油国の手持ち現金は増えます。中東産油は欧州の銀行から借り入れて国造りの投資をしていたようです。ドバイ(とドバイの株式市場も)がひどい状況になっているようですが、アブダビに金が入れば支援がしやすくなります。欧州からの融資のストップ、原油値下がりで手元の現金が不足しているためにストップしている投資が動き出します。投資が動き出せば、凍りつきかねない世界経済の再起動に大いに役立ちます。日本にとってもアメリカにとってもヨーロッパ諸国にとってもいいことです。 2 ドルでの支払いが増えることにより、円レートを安定させることができます。これは日本の生産、所得、雇用の下支えになります。必要なら1年分でも、2年分でも購入すればよいのです。為替市場での介入より効果的です。内需転換など、即時にできることではありません。円高による輸出の急激な減少は、少しでも抑えるべきです。 3 将来、原油がまた値上がりしたり、輸入が途絶したときに取り崩すことができます。日本経済のアキレス腱をなくすことはできませんが、守ることはできます。 のどもと過ぎて熱さを忘れてはいけません。資源安という絶好のチャンスが訪れているのです。幸運の女神の前髪を捕まえましょう。2009年度の本予算は成立しました。第一次の補正には間に合わなくとも、第二次の補正をしてでも備蓄を増やすべきです。 ここをクリック、お願いします。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では42位でした。