2008年1-3月期の
GDP速報が発表され、前期比の年率換算で3.3%の成長であったことが、マスコミで大きく取り上げられています。これを見る限りかなりの生産の増加ということになります。
それはいいとして、最近の資源の高騰の悪影響を考慮した場合に、所得はどうなっているのでしょうか?「
輸入原材料価格の高騰にどう対応すべきか?」で書いたように、このような現象が起こっていると、「生産量が変化していないにもかかわらず、高騰した輸入財を入手するために、生産した財をこれまでより大量に外国に輸出しなければならなくなり、その結果、国内で使える財の量(所得)が減る。」という残念な結果がもたらされるからです。
内閣府の発表によれば、
国民総所得(GNI)の成長率は0.5%です。ほとんど横ばいといっていいでしょう。
四半期の数字はぶれやすく、さらに年率換算すると不安定になります。そこで、最も安定している、年度の数字を見ることにします。
2007年度第1次速報(兆円、%)項目 | 2006年度 | 2007年度 | 増加額 | 増加率 |
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国内総生産(GDP) | 554.1 | 562.7 | 8.6 | 1.5 |
交易損失 | 15.2 | 21.3 | 6.0 | 39.6 |
国内総所得(GDI) | 538.9 | 541.4 | 2.5 | 0.5 |
海外からの純所得 | 15.8 | 18.8 | 2.9 | 18.5 |
国民総所得(GNI) | 554.8 | 560.2 | 5.5 | 1.0 |
帰属家賃を除いた消費 | 252.2 | 255.5 | 3.3 | 1.3 |
(実質です。)
この表から見えてくるのは、交易損失が増加したのを、国内生産の増加で補って国内所得を増やし、さらに海外からの純所得を増やすことにより、
国民総所得を増やしたという日本経済の姿です。
今後も、国内生産拡大が必要です。そのためにはなんとしてでも需要を確保しなければなりません。
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