「わずかな救い」も11月限り。

11月の貿易統計が発表されました。貿易黒字が昨年の11月と比べて増えたのでプラスの評価を受けているようです。喜びに水を差すようですが、12月は相当厳しいと思います。 まず、11月の「原油及び粗油」の価格です。 原油及び粗油」の輸入価格(1リットルあたり円)」
価格(円)上昇率(%)
2007年1月45.310.0
2月41.9△6.7
3月42.5△5.8
4月45.2△0.2
5月49.43.9
6月51.67.4
7月53.78.8
8月54.13.3
9月51.5△2.8
10月55.516.1
11月58.130.6
12月62.946.5
2008年1月63.339.6
2月62.449.0
3月62.747.5
4月63.941.3
5月70.542.8
6月80.656.1
7月88.665.1
8月92.070.1
9月82.259.8
10月67.020.7
11月45.4△21.9
12月32.4△48.5
2009年1月24.7△61.1
2月25.6△59.0
3月26.9△57.1
4月29.5△53.9
5月32.1△54.4
6月35.9△55.5
7月41.9△52.7
8月40.6△55.9
9月42.7△48.0
10月39.7△40.8
11月42.6△6.2
ご覧いただければわかるように、11月の「原油及び粗油」の価格は10月より少し高くなっているだけです。しかし、昨年の11月と比べると、少し値下がりしているだけです。10月までの大幅な値下がりしていたのとは、違います。 これはなぜかというと、昨年の10月に67.0円だったのが11月には45.4円と急速に価格が落ちたからです。 そして昨年12月には32.4円まで値下がりしています。もし、今年の12月の価格が横ばいの42.6円であったとすると、12月には、 31.5%の値上がり になります。 「わずかな救い」である「交易条件の改善」も11月限りです。 ちょっと、追加で説明しますと、11月の日本の輸入額の内、「原油及び粗油」の占める割合は16.4%、天然ガスなども加えた「鉱物性燃料」だと28.1%もあります。天然ガスなどの価格は原油価格と似た動きをします。 昨年12月の「原油及び粗油」の輸入量は22,154千キロリットルで、輸入額は718,501百万円でした。12月の輸入量はそのまま、価格は11月と同じとすると、輸入額は943,760百万円になります。貿易収支は、225,259百万円悪化します。今年11月の貿易収支の黒字は373,925百万円でしたから、この金額はかなりの数字です。 12月の貿易統計に注目です。 表を見ていただければわかるように、来年前半は原油価格は今年よりも値上がりが続く可能性が高いと思われます。 ここをクリック、お願いします。 人気blogランキング 人気blogランキングでは「社会科学」では47でした。